よくある質問
薪ストーブの煙がもどる原因は?∼室内換気について∼
この15年で日本の住宅の造りもかなり変わってきました。断熱材やペアガラス等が普及し、暖房効率の向上と同時に省エネの効率も上がりました。また、様々な種類の換気扇が取り付けられ、換気能力も向上しています。
さらにこの間、暖炉や薪ストーブを設置する家庭も増えています。昔の家の造りは隙間だらけで、シングル煙突を壁からすぐ外へ出しても、ストーブ燃焼機能への影響はほとんどありませんでした。しかし現在はダンパーやコンバスターの装備等、ストーブや暖炉の燃焼方式そのものが変化し、また高気密型の住宅も多くなりました。従って、これまでの薪ストーブや煙突設計の考え方も変えていかなけれがなりません。
高気密住宅に薪ストーブや暖炉を取り付けると、煙や目に見えない薪燃焼時の廃棄物等、室内に逆流する可能性がこれまでよりも多くなってきます。
問題① 火を焚き始めるときに煙がもどる
煙突が冷却されていて煙突の能力が低下している。
冷えた煙突をプレ・ヒートして暖めます。新聞紙や着火材に火をつけ、炉の上部にかざして煙突に
上昇気流を起こさせます。煙突が暖まれば煙の引きが良くなり、煙のもどりが解消されます。
暖炉、ストーブ本体または煙突のダンパーが閉まっている。
ダンパーを開けて焚いてください。
煙突に異物が詰まっていることがあります。不完全燃焼したスス・タール・クレオソートが煙突内部に
付着すると詰まります。または鳥の巣、蜂の巣、その他の動物が煙突に住みついてしまうことも
あります。雪や氷により煙突のトップが塞がれることもあります。
煙突は薪を燃焼させた煙を外に運ぶ管です。点検して煙突を塞いでいるものを取り除きます。
クレオソート等は煙突火災の原因になりますので必ず掃除してからご使用ください。危険を伴う作業
ですから専門家に相談することをおすすめします。
湿った薪を使用すると煙がもどってしまうことだあります。
乾いた薪を使ってください。乾いた薪がない場合は、薪を細かく割ってからご使用ください。
換気扇を回すと部屋の気圧が下がります。そのために煙がもどることがあります。
換気扇を止めてから焚いてください。どうしても換気扇を使用しなければならない場合は窓を開けて
ください。
吹き抜けがある部屋の上部の窓や家の高い位置の窓(二階の窓や天窓)等を開けていると、家全体が
煙突のような状態になり、煙が部屋の方に流れ出てしまいます。
窓を閉めてから焚いてください。
煙突の総高が低すぎると煙がもどってしまいます。
煙突をより高くします。最低の高さは約4mですが、曲がりの数・地域・建物・器具の状況等により
変わります。この場合はなるべく専門家にご相談下さい。
密閉度の高い住宅は燃焼空気が供給されにくいので、部屋の空気が薄くなり、煙突から外気が入り
込もうとする為に煙がもどってしまいます。
窓や扉を開け外気を取り入れて下さい。直接外から空気を器具に入れることも可能です。また外壁に
穴を開け給気口を設けたり、外気導入をします。専門家にご相談下さい。
燃焼用の空気が足りないと、煙がもどってしまいます。
空気取入口を開けて下さい。
問題② 火を焚いて暫くして煙がもどる
風が吹いている時は煙がもどっていまうことがあります。
A…煙突(屋外)の近くに煙突より高い木やほかの建物などがあると、風が煙突に吹き込んで煙が部屋に
もどってしまいます。
B…風が吹く方向の窓を少し開けます。
C…逆風防止トップを取り付けます。
D…強制排気ファンを取り付けます。
この場合は専門家にご相談下さい。
問題③ 前述の原因以外の場合
煙突の設計や部材等に問題があり、基本的に工事をやり直す必要が生じてきます。
一重煙突を使用しているので煙突が冷えやすい。
二重や三重断熱煙突に交換して下さい。専門家にご相談下さい。
煙突の殆どの部分が屋外に出て設置されて冷却される為に、煙突効果がなくなっている。
家の中に煙突を設置しなおして下さい。
煙突の横引きが長すぎる。煙突の曲がりの数が多い。
横引きを避ける事と、曲がりを減らす事です。専門家にご相談下さい。